
土の状態は獣に訊け、か。
ブログの更新が、全くもって滞っております。
今年から、「大地の再生」や「土中環境」に出会い、ワークショップや研修などのフィールドワーク以外に、YouTubeや書籍で技法を学んでいます。
だからと言って、ブログ書いていない言い訳になるはずもなく。
しかしながら、今年の夏は連日37度を超える日が続き、流石に「ちょっと空いた時間に庭で造作するか」などと、軽はずみに外に出るのも躊躇われるほどの酷暑。
と言うことで、日中はじっと家にこもっておりました。
大型で足の遅い台風10号も過ぎ去り、朝夕に乾いた風が吹き始め、ようやく外で作業ができるように。

庭の環境改善に使う落ち葉を取りに、近くの神社へ(宮司さんからはご許可いただいてます)。
すると、境内の端、掃いた落ち葉が堆積した付近、至る所に猪が掘った溝がありました。
神社の落ち葉は状態がよく、めくると、白い菌糸がびっしりです。
菌糸は接着剤となり、風が吹いても落ち葉が飛ばないよう、くっついて乾燥を防ぎます。
夏の暑い日でも、程よくひんやり、しっとりとした環境は、さらに微生物の有機分解を促し、虫を呼び、ミミズを呼び、そして、それを食べにくる猪や、アナグマなどの獣を呼びます。
つまり、獣が掘った跡、そこは土の状態がいいという証拠。
害獣扱いされる彼らですが、「いい土ハンター」としては非常に有能です。
表面からはわからない土の中の環境の良し悪しを、私たちに教えてくれます。
「ここ掘れわんわん」なのだな。
ガラ袋にいっぱい落ち葉を詰め込んで、家の庭へ。
すると、うちにも獣の爪痕がありました。

デッキ前に何者かが掘った跡。
流石に、フェンスに囲まれたうちの庭に猪が来るはずもなく。
最近、近所で出没の噂があるアナグマでしょうか。
ここは家(デッキ)の基礎があり、周りに比べて低くなっているので、水が溜まりやすいエリア。
前に一度、状態を見ようと掘り返し、とりあえず燻炭や落ち葉をすき込み、埋め戻していたのでふわふわ(というか、ズブズブ)になっていました。
残念ながら、水捌けの悪さは改善されませんでしたが・・・。

そして、庭の真ん中あたり。
確か、そこはお庭の環境改善のことがまだ何もわからない時期に、とりあえず(笑)竪穴掘って、グリグリして、炭まいて、落ち葉と枝を詰めて、放っておいた場所。
不倶戴天、親の仇のように、前足(?)で掘った様子が見えます。
水はけは改善してませんし、竪穴がどう機能したのかはわからずわからずじまいですが、
彼ら獣さんたちは、「ここにミミズがいるんじゃね?」と当たりをつけて掘った、と言うことになります。
つまり、あんなにカチコチだった土の状態が、ちょっとは良くなった。
そういう理解でよろしいでしょうか?
そう理解します。
彼らのおかげで、できてるのかできていないのか、暗闇を彷徨っていた私の環境改善の取り組みに、一筋の光が射しました。
獣さんありがとう。

ということで、日中の暑さも和らいだ先日。
獣が掘ったエリアを中心に、再度土中環境の造作を行いました。
まずはデッキ前の水捌け改善。
水が溜まる箇所を少し広めに掘り、台風で落ちた枝をバーナーで炙り、焼き杭にして掘ったエリアのそこに4本ほど打ち込みました。
その上から、瓦を割ったガラや、庭のすみにおいてた剪定枝、燻炭、掘り出した土を交互に重ねながら、水と空気の通り道を確保した層に。
表層からガラ層に滲みた水が、底辺に打った杭を通ってさらに深い地中に浸透するように
(というイメージ)、で造作しました。
さらに、粘土層が出てくるまで掘った竪穴に、割った竹を差し込み空気の通り道を。
竹の周りには、割った瓦、枝粗朶を入れて、竹を固定しつつ、土が窒息しないように。
奥のハイノキが植るマウンドにそって溝を掘り、溝の底にグルグリ(貫通ドライバーで燻炭を混ぜながら穴を空ける)をして、落ち葉を詰めて、の作業を20箇所ほど。
溝にも枝粗朶をしき、炭を混ぜながら、ふんわりと周りの土を寄せて、マウンド周囲に水が浸透する(ようなイメージ、あくまでも)造作を施して。
さあ、これらの造作が、どんな変化をもたらすのか。
答え合わせは、も少し先の話になりまそうです。
全くもって、土の中はわからないことだらけ、なのであります。
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