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土は呼吸をする

  • 執筆者の写真: shinosora77
    shinosora77
  • 1月19日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月20日

改良のための資材はふんだんにある
改良のための資材はふんだんにある


我が家(shino-sora garden)の庭に降る落ち葉は、自然林に倣い、降り積もるがままにしています。


たまに木枯らしも吹きますが、どこかに偏在して吹き溜まることもなく、均一に植栽マウンドを朽葉色の絨毯にしてくれています。


冬が深まるにつれ、降り積もった落ち葉の層が厚くなると、相対的に地表が剥き出しの部分が目立つようになります。


うちの庭で言うとデッキ下の庭につながる通路エリア。

東側サロンの窓下の植栽が少ないエリア。


この2箇所には、なぜか落ち葉が積もりません。


そのほかの植栽マウンドには、暇を見つけては例の「グリグリ」をしていたおかげか、満遍なく落ち葉の絨毯が敷き詰められています。


落ち葉の定着の有無が一目でわかります
落ち葉の定着の有無が一目でわかります

これは「山結び」で主宰者のマサさんが話していたことなのですが、


「踏み固められたり、改善の必要がある場所は、地上と地表を通る水と空気の行き来(交換と循環)がないから、落ち葉が定着しない。アスファルトの上の落ち葉が、結局は風に吹かれてどこかに吹き溜まるように」


さらに、


「土壌が良い状態なら、土の中の無数の孔隙にある空気は、気温や気圧の変化で常に動きがあり、雨が降れば水が中の空気を一旦押し出し、水が浸透する過程で新鮮な空気を土に取り入れる。この一連の空気の動きで、地表が落ち葉を吸いつける」






「土中環境改善」を知った当初は、施工法・改善法に対する理解も浅く、とにかく「有機物を撒けばどーにかなる」と思っていました(いや、お恥ずかしい)。


見よう見まねで中途半端な改善をして、厚く落ち葉を敷いて満足していても、数日たてば落ち葉が風に吹かれて消えている、といったことがよくありました。





以前、水浸透がないエリアの改善をブログで書きました。

ガチガチに転圧された状態で、お気持ち程度に客土された表土の下は、カラッカラの砂漠。

コナラの細根が、浅い表土の中に水分と養分を求めてうっすらと、直根は砂漠のさらに下の層に水を探して弱々しく伸びている、という状態でした。


明らかに植栽時に客土した薄い表土層にだけ細根が広がっている。その下はクラッシャーランで固められ水が浸透しない砂漠のような状態
明らかに植栽時に客土した薄い表土層にだけ細根が広がっている。その下はクラッシャーランで固められ水が浸透しない砂漠のような状態

その砂漠の中に、以前「グリグリ」を数箇所施していました。

数ヶ月前に「グリグリ」を施した縦穴の周りには、灰色の砂とは違い、水を含んだ色の濃い、不揃いな土の粒ができていました。

いわゆる「団粒化」です。

差し込んだ落ち葉と枝は、分解され黒く腐植化していました。


グリグリをした穴の周りに水と養分を求めて根が伸びてきているのがわかります。周りと比べても改善箇所の土は黒く団粒化しています
グリグリをした穴の周りに水と養分を求めて根が伸びてきているのがわかります。周りと比べても改善箇所の土は黒く団粒化しています


ただ残念なことに、縦穴の数は少なく、深さも足りず、水を浸透させる機能も不十分なものだったので、そのエリア全体に水を浸透させる程の影響はなかったようです。


それでも一本の貫通ドライバーと落ち葉や枝を使ったささやかな改善が、緩やかにではあるけれど、環境に変化を与えることができるということが確認できました。



全体の改善には、さらなる取り組みが必要ですが。


蟻の一穴でしたが、まだまだ改善が必要です
蟻の一穴でしたが、まだまだ改善が必要です

木の根は落ち葉などの有機物から直接栄養を吸収する、のではありません。

細根や、その表面に発生する根毛から水分と養分、酸素を吸収します。


そこで重要なのは微生物や菌類の存在。

落ち葉や枝などの有機物は、微生物の働きによって無機養分に分解され、水に溶けたそれを根が吸収します。


また木の根に共生する窒素固定細菌などは、大気中の窒素を固定化して、根が養分獲得できるように働きます。


土の中の落ち葉や枝、折れた細根などの有機物を微生物が無機化して、木の根が吸収。

光合成の産物である糖類やアミノ酸が、根から分泌され、微生物の養分に。

養分豊かな環境で伸びた根には、菌によりたくさんの窒素が蓄えられ、縦横に広がる

菌根のネットワークを通じて、他の木にも窒素を供給していきます。


このように、土の中で養分が巡るメカニズムが生まれます。

(ざっくりとした説明ですが)


そして程度の差はあれど、土の中がこのような状態、または状態になりつつあるところの表土は、降る落ち葉をしっかりと定着させます。


定着した落ち葉は、微生物に分解され、菌糸が葉同士を接着して、さらに分解を促します。

降り積もる落ち葉によって形成された落葉層の下では、適度に保湿され、落ち葉が断片化した腐葉層、さらに土に還る手前の腐植層という構成の表層土壌を作っていきます。



ちょっと堅苦しい内容になりました。



要は、


長さ35センチの貫通ドライバー1本と、手を伸ばせばそこにある落ち葉や枯れ枝があれば、複雑かつ深遠なエコシステムを作ることができる、ということ。


時間はかかるけれど、ドライバー1本で森の土が作れるのです。

(再:時間はかかりますが)





落ち葉積もるこの季節。

まさに改善作業にぴったりの季節です。


庭に出て、点々と開けた穴に落ち葉を畳み、枝を刺す。

春の訪れとともに、差し込んだ落ち葉は分解され、そこに根が伸び、土中の孔隙が繋がっていく。


「ハッハ」と苦しげな浅い呼吸の大地が深い呼吸を取り戻す。




さあドライバーを握り、庭に出ましょう。


冬に開けた穴の数だけ、春待ち、夏経て、はらはらと落ち葉降る季節の到来が楽しみになります。





 
 
 

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